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設計事例
# RDN
個人住宅
DETAIL
設計者 | H.A.S.Market |
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所在地 | 広島県広島市 |
竣工 | 2020年 |
主要用途 | 専用住宅+オフィス |
主体構造 | 木造 |
敷地面積 | 175.00㎡(約52.93坪) |
延床面積 | 105.16㎡ (約31.81坪) |
階数 | 2階 |
業務内容 | デザイン監修 |
施工者 | D・Uコダ |
プロデュース | R+house |
Open 10:30~19:30 / 定休日 土日祝
COMMENT
我が国における住宅は近代化と共に職住分離や就寝分離といった具合に機能を単一化することにより純化して来た。そして1995年頃よりインターネットが普及し巷ではその形式は次のステージに向かうと言われていたが、平穏な日々が流れ差し迫って変化する特別な理由がなかったことから、我々はそれを持続させたままテクノロジーによる恩恵と世論を反映し、現代のカタチをつくってきた。
周知の通りCOVID-19の世界的な猛威に平穏な日々は一変した。そして安倍内閣は4月7日に7都道府県に緊急事態宣言を発効し、在宅によるリモートワークが推奨された。近代化思想により純化された住宅が再び職住一体とう不純な形式に変化し、それが主流になるかもしれない。
当該計画地である広島県は現時点では緊急事態宣言の対象外エリアに該当しているし、当該計画は上述した理由に起因してリモートワーク化に対応するためのものではないが、偶然にも新しい働き方をしている建築主の住居であり、自身の職場と住居を一体的に計画する先進的なプログラムであった。
他方で現代においては、家族とそれ以外の関係性は戦前のソーシャル・ディスタンスとは異なり、プライバシーへの偏重も必要不可欠である。
そこで、家族とそれ以外の境界、そして住宅における内外の境界や距離の取り方を再定義した新たな形式を持った職住一体の住宅を考えることを今回のテーマとした。
オフィスと住居は玄関を共有しているが住居の内部は曖昧に感じる程度であり、明確に分断されている訳では無いし、完全に繋がっている訳でも無い。
オフィスと外部そして土間は同じ床仕上げを使うだけでは無く、吹抜けを介して光が差し込む屋外にいる様な空間として内外の境界を曖昧にした。
また、敷地の南西側には親族の家もあることから、実家と曖昧に繋がるテラスを設け接続させ、プライバシーを確保するために2階に設けた個室群は南西側に大きく開放させている。
この様に敷地の固有性や住まい手の要望を旧来の形式に当てはめ、ピュアに解くのでは無く、再び不純化する形式をつくることが、住まい手の生活に潤いを付与することに繋がるであろう。